ハリスの旋風

ハリスの旋風

Release date 1965. 04

あらすじ

何をやっても、誰とでもすぐトラブルに。ケンカと退学を繰り返す荒っぽい主人公・石田国松。たった一人の破天荒男子が運動部を渡り歩きながら、学校に次々と“旋風”を巻き起こしていく──!

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みどころ

みどころ1

野球、剣道、サッカー……多種多様な部活動を渡り歩く主人公

ハリスの旋風は、国松がハリス学園の運動部を遍歴するストーリーです。他のスポーツマンガとまったく違うのは、一つの運動部にとどまらないこと。国松は、その類まれなる運動神経の良さであちこちの運動部から引っ張りだこになります。野球部に入っては宿敵・三和田学院から勝利を勝ち取り、剣道部では大会で優勝に導き、新たに立ち上げた“新拳闘部”では、旧拳闘部との対決に勝利しました。

また、国松が入部する理由は「勝利への渇望」や「努力と絆」ではありません。なんと、各方面からせしめる「お弁当のおかず」が目的です。不純な動機からスタートした学園生活ですが、持ち前の天才的な運動神経を発揮して、どの競技でも頭角を現していくギャップが楽しめます。

各部で必ずしも歓迎されるわけではない国松。自分勝手なふるまいで周囲と衝突したり、人間関係に波風を立てたりします。しかし、そんな“異物”である国松が入ってくることで、停滞していた関係や立場に次々と変化が巻き起こっていきます。部内での対立や、先輩・後輩間で行われるいじめのようなしごき、弱小チームならではの問題。国松が各部で大暴れしていくことによって、一つひとつが打開されていきます。
国松は単なる物語の主人公ではなく、学園に変化をもたらす「旋風」のような存在と言えるでしょう。

みどころ2

青春、学園、スポーツ、番長マンガの礎を築いた名作

本作にはさまざまな要素が絡み合っています。
ヒロインやクラスメートとともに青春のときを過ごす学園マンガとして。
空地で自主練をしたり、選手代表になるべく合宿に参加したりするスポーツマンガとして。
多くの部活動で活躍し、チームの成績を引き上げていく成り上がりマンガとして。
そして、学園を取り仕切るボス的存在・番長との対峙を描く番長マンガとして。多くのジャンルの“原型”とも呼べる作品となっています。

本作は、国松がケンカで強くなるだけの話でも、スポーツでただ勝ち上がっていくだけの話でもありません。国松との対決に負けた後、「おれはあの石田がすきなのか?」と自問自答する番長の姿から感じられる爽快感。おチャラに「アメリカから帰ってきたらおれのよめさんにしてやるからなーっ」と告白する、甘酸っぱいドキドキ感。雨の中ドロドロになりながらもチームを優勝に導いた達成感。

当時の少年たちが熱狂した、複数の人気要素が見事に融合した総合エンターテインメントと言えるでしょう。エピソードごとに作品の表情が変わり、ジャンルの境界を軽々と飛び越えていく奔放さ。これこそ『ハリスの旋風』の大きな魅力です。

みどころ3

「不良少年」が居場所と時代を作っていく物語

数々の運動部を勝利に導くヒーロー的な一面を見せる国松。その一方で、彼は教師や親すらも手を焼く問題児であり、ケンカばかりで何度も学校を退学になっています。転校や引越しを余儀なくされてきた彼ら。しかし、ハリス学園に入学すると、その問題児らしさは別の形で生き始めます。

ケンカの強さは運動能力として認められ、行動力はチームを動かす力になり、仲間を思う情の厚さは人望へと変化していきます。もちろん、何度も何度も騒動を起こし、最後まで学校側と衝突を繰り返すことに。それでも国松の周囲には彼を理解し、支えようとする仲間の姿がありました。

小さくて、粗野で乱暴者。そんな不良少年が、スポーツや学園生活を通して自身にも周囲にも少しずつ変化をもたらします。各部のキャプテンや学園の番長に鬼教師。強い物が弱い物を押さえつけるという構図を壊していく国松の姿に、胸が熱くなることでしょう。どんなスポーツでも努力して力をつけ、理不尽な状況になっても体当たりでぶつかっていく国松は、多くの読者にすがすがしさを与えます。
そして、学園をも変えたことが認められた国松の最後は──。

豪快な騒動と疾走感あるストーリー展開で、アニメ化もされた本作。ちばてつや作品ならではのテンポの良さを、マンガ本編でぜひお楽しみください。

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