男たち

男たち

Release date 1982. 09

あらすじ

転勤で東京に赴任してきた新一は、下町に住む叔父に住処を頼って「イースタン」という名のアパートを訪ねた。しかしそこは、一癖も二癖もありそうな曰く付の住人たちの集う魔窟だった!!ダルマとあだ名される叔父はそこのヌシ。引越し初日から大変なめにあわされた進一の運命は!?巨匠・ちばてつやの痛快異色作!!

タイトル通り、登場するのはまさに『男たち』。飲む・打つ・買うといった、昭和の男がこれでもかというほど描かれています。ギャンブル狂い、取り立て屋、競馬のノミ屋など、個性豊かなキャラクターが一つ屋根の下で過ごしながら仲を深めていく……男臭さ、人間臭さをとことん味わえる名作です。

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みどころ

みどころ1

憎めないダメ男たちの日常

酒を飲みながら夜通しで麻雀、競馬とどうしようもない男たち。そこにやって来た、純真無垢な青年・新一。アパート「イースタン」には一癖も二癖もある住人ばかり。頼りにしていた叔父・ダルマには荷物やお金を根こそぎ奪われる始末。新一の日常とは到底かみ合わないイースタンの住人たちですが、彼らの間にも亀裂が生まれそうになる瞬間もありました。

でも、いつの間にかみんなの距離は縮まっていきます。なんだかんだと言いながら新一を気にかけるダルマや、イースタンの住人たち。そして、はちゃめちゃな彼らの境遇や立場に偏見を持たず接し、一人ひとりの内面に少しずつ引き込まれていく新一。正反対の彼らがぎくしゃくしながらも関係を深めていく姿に、思わず顔がほころびます。

時に薄情、時に温情。悪さをした仲間を売ることもあれば、様子がおかしい仲間に気付いて静かに怒ることも。自分の欲望にバカ正直で猪突猛進、だけどどこか憎めない男たちの心模様に、どんどん惹かれること間違いなし。本当にこの人たちがいるのでは、と思わせるリアルなキャラクターたちは、ちばてつや作品ならではの大きな魅力です。

みどころ2

古き良き昭和を懐古

人がごった返す東京駅から、山奥の木々や岩肌、麻雀の牌やパチンコ玉の1つ1つまで描き切るちばてつやの画力。思わず見入ってしまうほど微細な作画とともに、本作には懐かしさを感じる昭和の情景があちこちに広がっています。ダイヤル式テレビ、裸電球に黒電話、古き良き下町の商店街、喫茶店や電車の中でタバコをくゆらせる姿に過ぎ去った時代を懐かしむ人もいるのではないでしょうか。

きらびやかな東京の飲み屋街と、そんな都会の片隅にある下町。対照的なように思えますが、どちらも確かにそこにあった日本の姿です。イースタンの内外にちりばめられた昭和の要素は、誰もが思わず食い入るように見つめてしまうことでしょう。

見るだけでなぜか胸がぎゅうっとなるほど愛おしく感じる、あのときの日本。決して忘れることはできない、あの光景。胸にじんわりと広がる懐かしさを感じながら、過ぎて行った昭和の時代をぜひ思い出してみてください。

みどころ3

地位も財も関係ない「人」同士のつながり

家がボロボロでも、博打で負けても、お金がなくても、彼女にフラれても、日常は続いていきます。都会でも下町でも、どんな場所でも自分の好きなことをしながらしたたかに、たくましく生きていく男たちの姿に、元気をもらえる人も多いのではないでしょうか。

そして、イースタンに根を生やして生活するダルマたちと、あちこち転勤を命じられて社会の流れに翻弄される新一。両極の環境にあると言っても過言ではない男たちですが、人のバックグラウンドや地位など関係なく「一人の男」としてイースタンの住人に接する新一の姿勢は、学びが多いと言えるでしょう。「どこなんですか、ぼくの部屋はっ」「吸い殻は空き缶に」──誰が相手でも物怖じせず、平等に接し続けていれば、人と人はいつか通じ合えるのだと気付かされます。

びっくりするほど常識外れで無骨な連中ばかり。でも、いつの間にかどのキャラクターにも愛着が湧くはず。そんな愛すべきイースタンの男たちと肩を組めば、誰でも仲間──かつての敵も、お偉いさんも関係なし。思わず仲間に入りたくなる男たちの日常を、ぜひマンガ本編でお楽しみください。

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